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口の健康 体の健康 −10− 虫歯を科学するA 細菌の巣が全身に悪さ

神奈川新聞 平成18年6月12日 掲載 歯科コラム
 
    今回も虫歯を科学しますが、もう少しミクロの世界の話を続けます。大切なキーワードは、脱灰と再石灰化でした。虫歯予防のためには脱灰を減らし、再石灰化を促してあげればよいというシナリオでした。
 まず、脱灰について。ここでのポイントは、「バイオフィルム」と「生活習慣病」です。
 「バイオフィルム」とは聞き慣れない言葉ですが、流しの三角コーナーにつくぬめぬめとした膜、これもバイオフィルムです。固体の表面に付着した細菌やその産生物(タンパク質や多糖類)からなる複合体のことをいいます。
 口の中のミュータンス菌は食物を分解し酸を作るとともに、糖を材料にして、ネバネバしたのり状の物質をつくります。これがつるつるした歯の表面に細菌がとりつく足場となり、多種の細菌を引き寄せ、バイオフィルムが形成されます。そしてこの膜の中で、細菌の作る酸が作用して脱灰が進み、虫歯となるのです。
 もう、ピンときましたね。そうです、虫歯を防ぐには、このバイオフィルムを取り除けばいいわけです。
 ただし、歯磨きのようなホームケアだけで、このバイオフィルムを取り除くのは困難です。膜は頑固で抗生物質などの薬も効きません。虫歯だけでなく歯周病や肺、心臓、血管などの全身疾患の原因になるともいわれてる悪玉です。
 そこで、歯医者さんでの専門の器具による清掃(PMTC)のような、フッ素化合物の研磨剤を使った専門的な処置が必要になってきます。これについては、虫歯予防の中でもう一度詳しく触れることにします。
 今歯医者さんには、虫歯、歯周病、入れ歯などの治療で通う患者さん以外にも、PMTCなどによってバイオフィルムを定期的に除去することを目的に通う患者さんがいます。
 歯科医院も、痛くなってから行く所から、痛くならないように行く所へ変わってきているのです。
 家庭で行う歯磨きなどのホームケアと歯科医院で行うプロフェッショナルケア。バイオフィルム除去のための、車の両輪といえそうです。
 次回はもうひとつのポイント、生活習慣病についてです。
<隔週掲載>

自由の声 検診でがんの心配消える 主婦 田代 香 72(横浜市保土ヶ谷区) 平成18年6月18日
 「最近、口内炎が良くできるが、どこか悪いのだろうか」と気になっていたところ、本紙に口腔がんの記事が掲載され、歯科医師会による無料検診の案内がありました。
 食事が台無しになるあの痛みを何とか、という思いで読み始めました。そこには「口内炎からがんも」とあり急に不安になって、早速、検診申し込みの電話をしましたが、既に定員オーバーでした。
 しかし、「次回は優先して受診できるようにします」という返事でした。あまり期待もしていませんでしたが、後日「検診を実施するのでどうぞ」との電話があり、歯科治療に良いイメージを持っていなかったこともあり、親切な扱いにうれしくなりました。
 口内炎が良くできるくらいで、がんなんてことはないだろうと思いつつ、専門医の問診に答えながら「ひょっとしたら」という不安が頭をもたげました。
 検診後に「異常はありません」と先生に言われホッとしたのを覚えています。心配が消え、安心が得られたことに本当に感謝しました。
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