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口の健康 体の健康 −11− 虫歯を科学するB 生活習慣病の側面も

神奈川新聞 平成18年6月26日 掲載 歯科コラム
 
   今回も虫歯の科学の話です。二回にわたった虫歯予防のシナリオを思いだしてください。大切なのは脱灰を減らし、再石灰化を促すことでしたね。今回は脱灰にかかわるもう一つのポイント、「生活習慣病」についてです。
 生活習慣病とは、生活習慣が原因で発症する病気のことを言います。「虫歯が糖尿病、高血圧、痛風といった生活習慣病と同じ?」と不思議に思いませんか。  虫歯は前回説明したように、口の中の細菌によって作られる「バイオフィルム」を原因とする感染症という側面と、今回お話しする食生活や歯磨きといった習慣が原因になる生活習慣病の側面を併せ持っています。虫歯予防をバイオフィルムとの戦いだけに単純化できない難しさがここにあるわけです。
 自分の食生活を想像してみてください。口の中は食事の度に酸性になり、その度合いがある限界を超えると脱灰が始まります。三度の食事だけならよいのですが、ダラダラ食いで食事の時間が長かったり、間食の回数が多かったりすると、トータルの脱灰量が多くなり、再石灰化で追いつかなくなります。
 一番いけないのが、寝る前の飲食です。睡眠中の口の中を長時間酸性にし、脱灰を進行させてしまうからです。こうして、誤った食生活が脱灰を累積させ、虫歯を悪化させるのです。
 また、年代によって特徴がある生活習慣と虫歯のリスクにも関係があります。
 永久歯が生えて間がない小学生期は、飲食回数が増え、買い食いなどで菓子など甘いものも手に入りやすくなります。
 中高生期は受験勉強による生活習慣の乱れや間食の増加が問題ですし、塾やクラブによって治療も中断しがちです。
 成人期はストレスや夜ふかし。特に妊娠中は内分泌機能の変化や偏食、つわりも影響します。
 高齢期は老化や薬による唾液分泌量の低下、虫歯に対する抵抗性の低い歯根の露出など。人生の中でも年齢によって虫歯リスクは大きく変わってきます。
 虫歯が生活習慣と大きくかかわっていることが、もうお分かりになったでしょう。脱灰を減らすためには、バイオフィルムの除去と規則正しい食生活がとても重要なのです。
◇  横浜市歯科医師会は7月12日、横浜市歯科保健医療センター(中区)で無料口腔(こうくう)がん検診を行います。問い合わせは同歯科医師会рO45(681)1553
<隔週掲載>
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