神奈川新聞 平成18年7月31日 掲載 歯科コラム
今回は歯周病のお話です。こんな心当たりありませんか。@歯の間に物がはさまるA口臭がするB歯茎から血が出るC朝、口がネバネバする−です。一つでもあてはまれば「歯周病」の可能性があります。
歯茎に何らかの異常がある日本人は約七割に達し、特に中高年者の約八割が歯周病にかかているといわれています。
生活習慣病として定義されているこの歯周病は、どうしてこんなに蔓延しているのでしょうか。それは、現代人がストレスや不規則な日常生活によって体のバランスを損なってきたのが原因なのです。
では、いったい歯茎でどんなことが起こっているのでしょうか。
初めに、歯と歯肉の境目や、歯と歯の間などの磨きにくい所に残った汚れを分解して、歯にとりつく細菌の生成物(多糖類)を足場にした複合体が作られます。これがバイオフィルムです。一度バイオフィルムができると歯ブラシでは簡単にはとれません。
さらに、歯石はこうしたバイオフィルムに唾液中のカルシウムが沈着したもので、歯周病の最大の原因となります。歯周病の改善は、歯石撲滅の成否に懸かっているのです。
バイオフィルムや歯石の中の細菌が毒素を出して歯肉を傷めます。これが歯周病の初期。歯の根元や歯と歯の間の歯肉の縁が赤くなり、少し腫れたような感じで丸くなり、歯磨きのときに軽く出血したりします。
さらに症状が進むと、歯と歯肉の間にすき間ができ、歯周ポケットが形成されます、大事なサインを「ま、いっか」と見過ごしていませんか。
歯周ポケットの中では、酸素が無くても生きていける毒性の強い細菌が増殖し、その毒素によって歯茎からうみが出て、口のネバネバ感や口臭がひどくなります。骨の破壊も始まり歯がグラグラしてきます。かみ合わせが悪いとさらに悪化します。
重症期では、満足に物も噛めなくなり末期では歯が抜けてしまうことも起こります。
歯周病を、歯茎の衰えや老化現象と言い訳していませんでしたか。病気である以上、治療も予防も可能なのです。
<隔週掲載>
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