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口の健康 体の健康 −25− 疾病予防 よくかめる歯を残そう   

神奈川新聞 平成19年2月5日 掲載 歯科コラム
 
 二○○四年の横浜市民の死因は、第一位ががん、第二位が心臓疾患、第三位が脳血管障害となっており、この三つで約60%を占めています。原因の大きな部分を生活習慣が占めています。個人の生活習慣を改善することにより、発症や進行の予防が可能であることが明らかになってきています。
 さらに近年、運動不足あるいは不規則な食生活による内臓型肥満により、脳や心臓疾患のリスクが高まるという、いわゆるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)のメカニズムも分かってきました。
 このような生活習慣病予備軍であるメタボリックシンドロームの人たちに対策を講じていくことが、疾病予防に大変重要です。具体的には糖尿病、高血圧症、高脂血症の三つを防ぐことを目標にしています。また、国や自治体はこれらの予防が、医療費の抑制につながるものと考えているのです。
 前回までお話ししてきたように、歯周病が心筋梗塞や動脈硬化などの原因の一つであり、糖尿病との相関関係もはっきりしています。よくかむことが満腹中枢を刺激し食べ過ぎを防いだリ、規則正しい食事が虫歯や歯周病の予防に役立つのです。肥満予防には正しい食生活が肝心です。それにはよくかめる歯が大切なのです。
 大切な歯を守るためにみなさんの市町村では、歯科医師会への委託事業として歯周疾患検診を実施しています。例えば横浜市では四十歳、五十歳、六十歳、七十歳といった節目の年齢の市民であれば、五百円(七十歳は無料)の自己負担で検診を受けられます。
 歯を残すために、私たち歯科医がこれまで強力に推し進めてきた八○二○(ハチマルニイマル)運動はメタボリックシンドロームの予防にも貢献しているのです。これから定年を迎える団塊の世代の方々が八十歳になる二十年後、二十本以上の歯でおいしく食事をできるようにするには、今からの心がけが肝要です。  
<隔週掲載>
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