神奈川新聞 平成19年2月19日 掲載 歯科コラム
私たちはすてきな笑顔を目にすると、警戒心を解き、気持ちが和んできます。
この笑顔が政治の潮流を変えることになります。一九六○年、米国でニクソンとケネディが大統領選挙を戦っていたときのことです。二人は選挙戦で初めてのテレビ討論会に臨みましたが、ケネディの若々しく、表情豊かな笑顔がとても強い印象を国民に与えました。これを境に、それまで劣勢を伝えられていたケネディの人気はニクソンを上回り、結局大統領に就任できたというサクセスストーリーはあまりにも有名です。
それまでは、政策の中身が政治家を選ぶ基準になっていましたが、テレビを通した「イメージ」がいかに重要なのかを世に知らしめた画期的な出来事として記憶に残ることになりました。
ところで、日本人の笑顔はどうでしょう。年配者の中には口元を手で隠しながら笑う方がいます。また、失敗したときなどに、テレ笑いしてごまかすような表情も、「ジャパニーズスマイル」をいわれ、欧米人から理解しにくいものの一つになっています。
しかし、変化の兆しがあります。最近の雑誌の表紙に載るモデルたちには満面の笑みがこぼれ、人前で歯を見せることをためらうことがありません。しかも、歯自体が白くきれいに見えます。このような笑顔を見ると、日本人の感覚もいい意味で変わってきているのだと思えます。
このきれいな歯を作るのが「ホワイトニング」です。磨き残し、喫煙、コーヒーや赤ワインを飲むことで歯の表面に付着した色素を取り除き、本来の白さを取り戻す治療です。
人間同士がコミュニケ−ションを取るときに信頼感を得る最良の方法が、白くきれいな歯を見せる笑顔なのです。
白い歯がこぼれる明るい笑顔が、日本の元気を取戻すとても良いきっかけになるのではないでしょうか。
<隔週掲載>
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