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口の健康 体の健康 −9− 虫歯を科学する@ 再石灰化で自然治癒も

神奈川新聞 平成18年5月29日 掲載 歯科コラム
 
   歯科で虫歯を治療したのに、何年かするとまたでてきてしまう。さらに大きく削って治療する。いつか歯がなくなってしますのでは、と心配になりますよね。
 「歯みがきだって、ちゃんとしてきたのに・・・」と、歯を失ってから後悔しないように、ここで少し、虫歯について科学してみましょう。
 では初めに、重要なキーワードをふたつ。「脱灰」と「再石灰化」という言葉です。脱灰とは、酸によって歯の表面のカルシウムなどが溶け出すこと。再石灰化とは、それらが歯の表面に再び取り込まれ、結晶化することをいいます。
 口の中のミュータンス菌をはじめとするいくつかの細菌は、食物を分解して作った酸によって、歯を脱灰させ虫歯を引き起こします。虫歯は砂糖が原因、と単純に考えていませんでしたか。
 では、食事のたびに脱灰によって虫歯がどんどん進行してしまうかというと、もちろんそうではありません。歯は唾液によって守られているからです。唾液は歯の表面の酸を洗い流し、成分のカルシウムなどが、再石灰化を促します。
 つまり、歯の表面では、脱灰と再石灰化が常に繰り返されているのです。健康な口の中では、両者のバランスがうまく保たれていて、虫歯にならないわけです。
 よく「虫歯は自然には治らないから、早期発見、早期治療が大事」といいますが、これは本当でしょうか。
 歯みがきのあとに、表面をよく乾燥させてみると、根元のあたりが白くなっていることがありませんか。これが、初期の脱灰病変です。しかしその後の管理次第で、再石灰化により元の透明さをとりもどし治ってきます。つまり、自然治癒もありえるのです。
 なお、虫歯を科学することで、予防のためのシナリオが見えてきました。
 脱灰を減らし、再石灰化を促すことで、虫歯を予防できそうです。
 各地の歯科医師会では、六月第一週を「歯の衛生週間」とし、さまざまなイベントを行います。  横浜市歯科医師会でも六月四日、みなとみらいクイーンズスクエアで無料歯科健診や、子ども向けのイベントを行います。歯医者さんと気軽に話してみませんか。
<隔週掲載>
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